夫妻宮が双象<B,C>で双象自化<C,D>を持つ者のカルマ構造



私の夫妻宮は上図です。
双象<天機B、文昌C>で双象自化<天機→C、巨門→D>となっています。

欽天四化紫微斗数では、このように生年四化や自化が複数ある宮を多象の宮位とし、特別な意味を持つ宮位としてみていきます。

今回は、この私の夫妻宮にスポットライトを当てて、自身の前世からの因縁やカルマ構造をみていきます。

❖ はじめに

欽天四化紫微斗数における「夫妻宮」は、単に結婚や配偶者を意味するだけでなく、
深くかかわる“対人関係全般”――とくに「兄弟姉妹」との因果にも関わる重要な宮位です。
※夫妻宮は宮位転換すると「父母の子女宮」で、自分と兄弟姉妹をみる宮でもある。

この夫妻宮が上図のように双象<B,C>で双象自化<C,D>となっている場合、
そこには、過去世から持ち越された強い感情的因縁や課題が眠っているとされます。

今回は筆者(2025年現在満68歳、男性)の命盤を例に、
夫妻宮に生じた複合的な自化の構造と、
それが配偶者・兄弟姉妹・仕事運にどう連動していくかを詳しく読み解きます。

❖ 命盤データ:夫妻宮(丁酉宮)の構成

  • 天機B → C(自化科)
     → 命宮の天梁→Cと串聯(理想主義と正義感)
  • 文昌C(生年化科)
     → 才情や知性が対人関係に投影される
  • 巨門 → D(自化忌)
     → 財帛宮の太陰→Dと串聯(言葉と生活基盤の共業)
  • 官禄宮より、夫妻宮へ向心力A(禄)・D(忌)
     → 仕事と人間関係の運命的干渉

❖ 因果1:天機B→Cと命宮の天梁→Cの串聯

→ 理想・正義をめぐる「信念の摩擦」

  • 夫妻宮と命宮が「自化科」によって串聯しており、
     この配置は、自分自身の理想・正しさ(命宮)を、
     対人関係のなかに持ち込もうとする傾向
    を示します。
  • これは、配偶者との間だけでなく、兄弟姉妹の間においても「正論の衝突」が起きやすい因果です。
     「私が正しいはずだ」「あなたが間違っている」という思考が、感情の断絶を招く可能性を示唆します。
  • 特に過去世において、「思想・価値観の違い」がもとで身内との別離があったケースが考えられます。

実際のところ、私は、夫は外で仕事をして妻子を養う、妻は子女の養育と家を守るという封建的な価値観を強く持っていたほうです。
また、同族会社の四代目社長で、弟と50代半ばまで一緒に兄弟経営していたものの、経営理念や方針の対立で、私は会社を辞めて弟が五代目の社長となる。

❖ 因果2:巨門→Dと太陰→Dの串聯

→ 言葉・感情・生活をめぐる摩擦と葛藤

  • 巨門は「口・言論・判断」を意味し、それが自化忌となると、
     **「誤解」「言いすぎ」「言えなかったことでの後悔」**といった因果が生じやすくなります。
  • さらに太陰(家庭・生活・母性)との串聯があることで、
     この因果は**「生活基盤や感情面の価値観のズレ」が原因となる人間関係の破綻**を暗示します。
  • これは、配偶者に限らず、兄弟姉妹との間で「家族の在り方」や「親の面倒」「財産分配」などをめぐって
     争いや感情的断絶があった過去世の象徴
    でもあります。

巨門は女性の星であり、夫妻宮の巨門は妻の星。
よって、巨門→Dは、直接的には妻の言動に問題があり、口舌やコミュニケーションの問題が発生するとみるのが適切。
また、巨門は姉の星としてみることもできる。

❖ 因果3:官禄宮からの向心力A(禄)・D(忌)

→ 仕事と人間関係が交差する宿命

  • 向心力Aは「運勢の追い風」、向心力Dは「感情の重さや混乱」を意味します。
  • この両者が官禄宮(キャリア)から夫妻宮(対人)に同時に流れ込むということは、

「仕事を通して人間関係が運ばれてくる一方で、その人間関係がまた仕事に影を落とす」
という二重構造のカルマが形成されます。
同族会社は、家族経営ですから致し方ない面もあります。

また、官禄宮は父母の田宅宮でもあるので、不動産を兄弟姉妹の誰がもらう(相続等)か、あるいはもらっても手放すかも読むことができます。

  • 特に兄弟姉妹と仕事が絡む場合(親の介護、家業、相続など)に、感情的摩擦が表面化しやすいのです。

❖ 結論:夫妻宮は「近しい関係性と仕事運が交わるカルマの交差点」

筆者の命盤では、夫妻宮における自化科や自化忌が、命宮・財帛宮・官禄宮と連動し、
配偶者・兄弟姉妹・キャリアという三つの柱が強く結びついていることがわかります。

とくに注目すべきは:

因果の出所内容波及先
天機B→C と 天梁→C理想・正義を貫こうとする姿勢兄弟・配偶者との信念の対立
巨門→D と 太陰→D感情・生活・金銭をめぐる誤解家庭内の不和/親族関係の業
向心力A・D仕事と人間関係の引き合いと摩擦キャリア全体へのブレーキ

❖ 開運のヒント:「近しい人との共業」を見つめなおす

夫妻宮に自化忌を持つ者は、
「パートナーシップ」だけでなく、「兄弟姉妹との因果」も大きな鍵を握ります。

ときにそれは、過去世から引き継いだ感情のしこりであり、
ときに仕事を通して浮かび上がってくる“未解消のテーマ”でもあります。

まさにこのような身近な人との葛藤を、自分の成長機会として受け止める智慧なのです。

❖ 補足

欽天四化紫微斗数において、「共業」とは
“同じ因縁を共有し、互いにその結果を引き受けていく魂の関係”を意味します。

「結婚相手」や「兄弟姉妹」が、単なる現世の関係性にとどまらず、
過去世においても“ともにある課題を背負ってきた存在”であることが多いのです。

配偶者や兄弟姉妹は同じ魂の因縁グループなのです。

◆最後に:共業を「宿命」ではなく「修行」として受け取る

「共業=逃れられない縁」と思うと重く感じますが、
それは実は、魂の深い慈悲と挑戦の選択でもあります。

相手を通して、自分自身の未熟さや偏りを映し出し、
それに気づくことで、魂は成熟していく。

私のように、夫妻宮に自化科、自化忌、かつ串聯を持ち、
しかもそれが複数宮と絡む命盤を持つ場合は、
まさに**「人との関係を通して魂を磨く」という使命**を持っていると言えます。

まさに、私がOSHO禅タロットを最初に手にし、自分の今の課題は何ですか? とカードに問うたときに出たのが上の「恋人たち」のカード。

“相手は“鏡”である”
“相手を通して自分を知る”

という意味深淵なカードですね。

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この記事を書いた人

田中 宏明のアバター 田中 宏明 占風鐸・オンラインスクール 主宰

大阪生まれ。関西大学工学部卒。著書「欽天四化紫微斗数の世界」はじめ他に3冊出版(https://www.amazon.co.jp/dp/B09JWYY8PB/)。大正3年創業の家業の四代目社長として約25年間会社経営に携わる。2015年に経営者から個人事業主になり、主に欽天四化紫微斗数、八字の占術家となる。座右の銘「終身学、以修徳」。

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