
紫微斗数の鑑定で「同象自化(A-A/B-B/C-C/D-D)」を持つ方をときどき拝見します。
しかし、この配置をどう読むかはとても奥深いテーマです。
同象自化は「外向きベクトルでゼロになる(A-A=0/B-B=0 等)」と言われますが、
これは「(その宮の)エネルギーが大幅に減少する」とか「何も起こらない」という意味ではありません。
むしろ普段は静かにエネルギーが蓄積し、
トリガー(大限・流年・飛星)が入ったときに一気に噴出するのが特徴です。
今回は、実際に同象自化がみられる3人の例を取り上げ、
そのエネルギーが人生でどう現れたのかを見ていきましょう。
① 堀江貴文氏(田宅宮・武曲D→D)
プロフィール:実業家、ライブドア元社長。1972年福岡生まれ。
ITベンチャーを次々と成功させ、時代の寵児と呼ばれた人物。
命盤ポイント:田宅宮・武曲D→D(同象自化)
出来事:2006年、証券取引法違反で逮捕・起訴。実刑判決を受け、約2年間服役。
解釈:
田宅宮は社会的基盤・信用も表す宮。武曲D→Dは攻撃性・強引さが試練として返ってくる配置。
大命でトリガーが入り、社会的基盤が一度崩壊。
しかし服役を経て、むしろ新たに実業家・著作家として再起動しました。
まさに「破壊と再生」のプロセスです。
② 頼清徳氏(財帛宮・文曲D→D)
プロフィール:台湾の現総統。1959年台南生まれ。
元医師から政治家に転身し、台南市長・行政院長を経て2024年より総統就任。
命盤ポイント:財帛宮・文曲D→D(同象自化)
出来事:医師としての安定した生活を手放し、政治家として出馬。台南市長として頭角を現す。
解釈:
財帛宮は収入・才能・価値観。文曲D→Dは知性や言論にカルマ的課題を持つ配置。
大命でトリガーが入ると、医師としての職を離れ、
「言論・思想を人々に届ける」という政治活動にシフト。
彼にとっては、安定収入を捨ててでも果たすべき魂の使命でした。
③ 大杉君枝さん(財帛宮・巨門B→B)
プロフィール:元日本テレビアナウンサー。1963年東京都生まれ。
情報番組・ニュース・ナレーションなど幅広く活躍。
出産後に線維筋痛症を発症し、闘病生活の末、2007年に自宅マンションから転落し逝去。
命盤ポイント:財帛宮・巨門B→B(同象自化)
出来事:官禄宮大命のとき、激しい痛みと生きる苦しみが極限化。
最終的に自死という形で生涯を閉じる。
解釈:
巨門は病因・是非・口舌の星。B→Bは通常は静かだが、
飛星により官禄宮大命がトリガーとなり一気に噴火。
彼女にとっては、耐え難い肉体的苦痛と心の葛藤がカルマ清算の場となりました。
🔑 同象自化が意味するもの
- 普段は静かでも、トリガーが入ると一気に顕在化
- カルマ解消のエネルギーが甚大で、人生の方向が大きく変わる
- 場合によっては、喪失・破局・職業転換・死などの極端な現象を伴う
- しかしそれは破壊だけではなく、魂が次のステージに進むための再スタート
🎯 メッセージ
同象自化を持つ人は、
通常よりもカルマ解消のエネルギーが強く、
“一気に噴火する”ため、人生が大きく変わりやすいと心得てください。
だからこそ、平時から内面を整え、
執着や偏りを少しずつ手放しておくことが大切です。
そうすれば、トリガーが来たときも破壊に翻弄されず、
新しい人生の扉を開くきっかけとして活かすことができます。
🪷 私からの提言
私は、たとえば 田宅宮D→Dの同象自化 を持つ人に対して、
「家や財産が無くなる可能性がある、いわゆる “出家の命” でもある」と申し上げてきました。
その対策として、
一度にそれが起これば破産や倒産という憂き目に遭うかもしれませんが、
毎年、定期的に慈善団体に寄付するなどして、10年・20年と続ければ、大難を小難に変えられる
──そんな理屈で多くの方に実践をお勧めしてきました。
これはD→Dに限らず、他の同象自化でも有効だと考えています。
つまり、能動的に「少しずつ手放す」ことで、潜在的なエネルギーを穏やかに放出するのです。
そして何より大切なのは、
同象自化を単なる凶象と恐れるのではなく、
大きな変容とカルマ解消のエネルギーと捉えること。
恐れや不安ではなく、希望と未来を見つめることで、
むしろ人生の転機を前向きに活かせるはずです。
同象自化を持つ方は、
「この地球に転生する前に、大きな課題を乗り越えようと決意した勇気ある魂」
なのだと誇りを持ってください。
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